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zoom RSS 講座「知の散歩道」:タピスリーの美を求めて〜フランス中世を中心に

<<   作成日時 : 2015/05/23 21:14   >>

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2015年5月23日(土)午後2時〜4時 杉並区立中央図書館で白百合女子大学との共催による講座「知の散歩道」:「タピスリーの美を求めて〜 フランス中世を中心に」 を拝聴する機会があった。

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     一角獣と貴婦人「我が唯一の望み」

60名定員だったがさらに追加の椅子を並べて満員の地下視聴覚ホール。
講師は篠田 勝英氏(白百合女子大学文学部教授・フランス語フランス文学科)。
タピスリー(綴れ織りの壁掛け)の入門として、フランス中世のよく知られた三つ の作品(アンジェの黙示録 を描いたタピスリー、バイユーの王妃マチルドのタピスリー、クリュニー美術館の一角獣のタピスリー)を紹介、比較するという。

殆ど予備知識がないものの好奇心は持ち合わせているので楽しみに参加。
タピスリーは仏語だがタペストリーと英語にするとキャロル・キングのアルバムと「綴れ織り」を思い出す。
タピスリーは壁掛けの意味が強い。
美術装飾品としてはもちろん、石造りの建物の壁の保温(断熱?) という目的もあったそうだ。
講師は最初にタピスリーや織機に関するいくつかの用語を、画像を示しながら丁寧に説明してくれた。
竪機(たてばた)の場合、絵柄の裏側に座って織るので絵柄の確認のために反対側に鏡を置くというのが面白い。

そして「よく知られた」三点というのを「今、知る」ことになる。
そもそもアンジェ、バイユー、クリュニーがフランスの地名だとも知らず…。

(1)アンジェ:黙示録の壁掛け 
 アンジュー公ルイ一世のために制作された「黙示録の壁掛け」で全長103m×高さ約6mもある。上下二段に14の場面で構成され青と赤の地の部分に分かれて市松のようになっている。現在、アンジェ城城内美術館に展示してあるというが実物を見たら圧巻であろう。
 実物拝観は時間的、経済的に難しいが、YouTubeに長編(53分)紹介動画があるというので機会があったら見てみよう。ただ仏語だったら…。

(2) バイユー:王妃マチルドのタピストリー
 18世紀に間違って王妃マチルドの名が付いて広まってしまったらしく、単にバイユーのタピストリーと呼ぶほうがよいらしい。これも大きいのだが、やたら細長く幅50cm、長さ68.3mの布に「刺繍」したもの。ノルマンディー公ギヨーム(ウィリアム)征服王のヘイスティングスの戦い(1066)を描いている。デュロルドという人物が小さく描かれており、これが謎めいて面白そうだが未知の単語が多くてついていけない。
中には、ハレー彗星を見上げて指差している人たちが登場しているのも興味深い。
形状や歴史事実の記録目的の点からも日本の絵巻物に近い印象を受けた。

(3)クリュニー:一角獣と貴婦人
 クリュニーは修道院が有名らしいが初めて知る地名。
 この作品はそもそも制作目的がはっきりしない上に人の五感とその統御というような意味づけをしている説明もあり(答えの無い)謎解きを楽しめる作品だ。
講師によれば木俣元一氏の解釈が芸術新潮2013年5月号にあり参考になるとのこと。
後日、この作品を題材にした原田マハのユニコーンという小説を読んだ。ジョルジュ・サンドが登場してタピスリーと対話したり思い切り想像の限りを尽くしてもやはり描いている内容を断定することは避けていた。ジョルジュ・サンドがこの作品を世に知らしめるために動いたということも知った。

 さて、新たな知識欲と好奇心を喚起してくれた講座であるが、何より嬉しかったのは本日の講師である篠田氏は高校同窓生。なんと50年ぶりの再会。つかの間の近況交換をして帰途についた。
「知の散歩道」は通いなれた図書館への散歩が、今日はフランス中世、50年前と時空を超えてワープした忘れ難い散歩となった。

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